SSブログ

クィア領域における調査研究にまつわる倫理などガイドライン試案 *追記あり [その他]

共同執筆した「クィア領域における調査研究にまつわる倫理や手続きを考える:フィールドワーク経験にもとづくガイドライン試案」が国際基督教大学ジェンダー研究センタージャーナル『ジェンダー&セクシュアリティ』第9号に掲載されました。

「クィア領域での調査研究は、セクシュアル・マイノリティを研究対象とする学際的なものである場合が多く、既存のさまざまな学会が公表しているガイドラインや社会調査の教科書などではカバーしていないリスクがある」との認識から、調査、研究をする人にとっても、調査に協力する人にとっても、また、大学でLGBT関係の調査研究をする学生を指導する教員にとっても、そしてもちろん、LGBT当事者であってもそうでない人にとっても、実際的に役立ててもらえるようなガイドラインとして執筆しました。
ぜひお役立てください。
掲載誌(ジャーナル)は、以下のリンクから、全部がPDFファイルとしてダウンロードできるようになっています。(ガイドラインはp.211-225)

http://web.icu.ac.jp/cgs/2014/06/cgsjnl009.html

共同執筆者は、岩橋恒太、大江千束、杉浦郁子、若林苗子の4方(五十音順、敬称略)。

レズビアン・コミュニティ、ゲイ・コミュニティ、HIV/AIDS啓蒙の活動などの実績をつんだ方々であり、フィールド調査を行う社会学者もいらっしゃり、私としても共同執筆の過程でたくさんの刺激を受け、学ばせていただきました。
また、最終的に執筆段階ではこの5人の仕事となりましたが、そこにいたるまでの数年間、ワークショップなどの場で参考文献を示してくださったり、経験談をお話くださったり、ご意見をくださったたくさんの方々にもあらためて感謝します。
(なんとこのテーマでのワークショップを最初に行ったのは2008年12月…! 断続的とはいえ、5年以上かかったことになります。実際のガイドライン試案の執筆にあたっては、共同作業でしたが、私が2008年当初から、一連の活動のオーガナイザーをつとめていたことから、今回、筆頭執筆者としてクレジットしていただくはこびになりました)

なお、日本語で「クィア」を用いる際に知っておくべきと思われることも脚注に盛り込んでいます。「そもそもクィアとかクィア理論ってどこから出てきたの?」というご興味のある方にもお読みいただければと思います。

このジャーナルは日本語記事には英語概要が、英語記事には日本語概要がついているバイリンガルです。
本ガイドライン試案の英語タイトルをあげておきます。
"Ethics and Procedures for Researchers and Research Subjects in the Realm of Queer Studies: Tentative Guideline Informed by Fieldwork"

多くの方に活用していただけることを祈っています。

追記:共同執筆者、杉浦郁子さんが機関ディポジトリに登録してくださいました! 当ガイドラインのみをJAIRO(8/16開始予定)やCINII(8/25開始予定)からダウンロードできるようになります。こちらもご利用ください。
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。