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2010年に執筆したヤオイ論がアップされています [yaoi]

2009年末のシンポジウムでの口頭発表をもとに、2010年に書いたヤオイ論が2010年年末から、ウェブ上で公開されています。(2011年3月には紙版も出版されるとのこと)

http://imrc.jp/lecture/2009/12/comics-in-the-world.html

京都精華大学国際マンガ研究センターのサイトの、<第1回国際学術会議「世界のコミックスとコミックスの世界――グローバルなマンガ研究の可能性を開くために」>のページを下にスクロールしていくと、<この会議をもとにして作られた論集がダウンロードできます>とあり、日本語版、英語版の順に、各章ごとにPDFファイルにとべるようになっています。

私は第2部のなかの10章として寄稿させていただいています。

「反映/投影論から生産的フォーラムとしてのジャンルへ—ヤオイ考察からの提言」
"Theorizing the comics/manga genre as a productive forum: Yaoi and beyond"

(英語タイトルが文頭のみ大文字、また、yaoiがイタリックでないのはこの論集の表記ルールによるもの)

2008年に提出した博士論文(英語)の最終章で述べていた議論をもとに、2009年12月のシンポジウムで20分の口頭発表を行い(日英両方。英語はコロンビア大学の堀ひかりさんが同時通訳風に代読してくださいました)、その口頭発表をもとに、活字として出版するには説明不足だったり展開がユルすぎたりする部分を補足しながら日本語原稿、英語原稿の順に書きました。
そしてもはや2011年……光陰矢のごとしで泣きそうですが、ここで述べているクィアな生産的フォーラムとしてのヤオイ・コミュニティについては、今日、この瞬間も強く信じています。
(口頭発表で道筋はできているし、おおもとは英語で書いたものを日本語にしたんだから、今から日英両方で活字用原稿を書くのには、他の仕事の合間とはいえそれぞれ一ヶ月くらいかな、なーんて思ったよりも数倍、時間がかかってしまい、途中でもうダメかと思いました。編者の方々にもご迷惑をおかけしたことをここでもお詫びします。それにしても、自分が好きこのんでやっていることではありますが、人生のとても多くの時間を、日本語と英語のはざまで右往左往することに費やしていますねえ)

と、雑談になってしまいましたが、よろしければぜひごらんください。

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つくば市民大学でゲスト講師をつとめます [yaoi]

1週間を切っての告知となってしまいましたが、来たる1月15日(土曜)の午後、つくば市民大学で、ヤオイ研究者としてゲスト講師をつとめさせていただきます。
「人形の家」(松田さん)を起点としつつも、女性の大衆文化という軸で、宝塚(吉田さん)やヤオイについても考えていきましょう、ということのようです。それぞれが30分ほどのプレゼンテーションを行った後で、3人互いに、また、フロアの参加者のみなさまとも語り合えるのではないかと思います。司会は杉本裕代さんです。

劇団「百景社」関連企画         
つくば市民大学 自主講座
「日本大衆文化と「人形の家」--明治期から現代まで」
日時:2011年1月15日(土) 14時~ 
場所:つくば市民大学
講師:
 松田幸子(国民文化班・研究代表者/筑波大学・準研究員)
 吉田季実子(国民文化班・研究分担者/東京大学大学院博士課程)

ゲスト講師:
 溝口彰子 (Visual&Cultural Studies Ph.D)

より詳しい情報については、以下のサイトからどうぞ。
http://theatreinmotion.jp/

今、確認してきましたら、「クィア・アクティヴィスト」とも書いていただいてました。きゃー。
直接的なアクティヴィスト活動はほとんどやっていないので肩書き負けな気もしますが、研究と教育はたしかにクィア・アクティヴィストとしてやっているので、もっとがんばれ、っていう叱咤激励と受け止めております。

私は、宝塚の舞台は小学校6年生の時(『ベルばら』初演!)大学時代にしか見ていないとはいえ、ジェニファー・ロバートソンの宝塚論は興味しんしんで読み込み、ドキュメンタリー『Dream Girls』は10回以上見直していますので、21世紀の宝塚の展開を研究者の視点からうかがえるとあって、わくわくしております。(それと、実の弟が宝塚の評論活動をやっています。フェミニズムとかクィアの視点ではないですが。)
松田さんはヤオイ愛好家だそうですし、接点はばっちり(?)。
議論が深まるのではないかしらと楽しみにしています!

参加無料、申し込み不要とのこと。お近くの方、ぜひいらしてください。

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『このBLがやばい!』今年もアンケート参加しました。 [yaoi]



今年も出ました。年間ボーイズラブマンガと小説のランキング本。(正確には、2009年10月〜2010年9月に発売されたタイトルが対象)
私は今回は、ランキングのアンケートのみですが、参加させてもらいました。
コミックスのランキングは自分のコメントも含めて掲載されるのですが、年間で5冊を選ぶのはとても難しいです。ここ何年か、前年までにあげた作家さんは外す、というルールを自分に課しているのですが、それでも……。

志水ゆき先生や榎田尤利先生のインタビューなどの読み物も充実しています。
このBLがやばい! 2011年腐女子版 (NEXT BOOKS)


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Come to our gathering at the Yaoi-Con, Oct. 30 @ SF, USA [yaoi]

My second Yaoi-Con is less than a week ahead.
This year, I'm holding a small gathering as follows:

Sat. Oct. 30, 2010, 12:00-13:00 Evergreen Room "Let's discuss MOE histories"

My dear friend and manga (narrative comic) artist Miyamoto Kano will be there to help me run the gathering.
(Yes, Kano-sensei will discuss her MOE history, too.)
We hope to engage in casual and intimate (ahem) discussions with North American yaoi fans.
See you there!
The Con is happening at Hyatt Regency San Francisco Airport between Friday and Sunday. Details can be found at the link below.

http://www.yaoicon.com/

My other interests include the problem of scanlation, among others. I hope to speak with as many fans (colleagues) as possible on such matters as well.

来週末、2度目のヤオイ・コンに参加します。今回は、「萌えの歴史をみんなで語りましょう」と題した小規模なお集まりを土曜の正午から開催します。マンガ家の宮本佳野先生も手伝ってくださいます。ご参加いただければ嬉しいです。

また、もちろん他にもいろいろと興味がありまして、なかでも、スキャンレーションの問題についてはいろいろと北米の愛好家の方々のお話をききたいと思っています。そちらもよろしくお願いします。
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ジェンダー史叢書3『思想と文化』にエッセイを寄稿しました [yaoi]

『ジェンダー史叢書3 思想と文化』(竹村和子、義江明子編著)明石書店
に、エッセイを載せていただきました。


思想と文化 (ジェンダー史叢書 第3巻)

思想と文化 (ジェンダー史叢書 第3巻)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 明石書店
  • 発売日: 2010/07/06
  • メディア: 単行本



「コミック市場—『美少年』としてのレズビアン思春期」というタイトルです。
1970年代の少女漫画ジャンルのなかでの「美少年マンガ」(あるいは、「少年愛」)と呼ばれた、美少年同士の緊密な関係性を描く作品群に投影することで「レズビアンになりえた」のだ、と、もちろん後年になって気づいたわけなのですが、そのあたりのことをつづったエッセイです。(3年くらい前に書いたのですが、その時に改めて『風と木の詩』のセルジュとジルベールのシーンを見直して気づいたことも盛り込みました。と、いちおうネタバラシを避けようと思うとこんな書き方になってしまいますが)

個人的な読書体験を中心に論文的ではなくあくまでエッセイとして、というようなご依頼を受けての原稿ですので、コラムのなかでも浮いているかもしれませんが、「日本におけるジェンダー史研究を発展させていこうという熱い思い」(刊行にあたって、より)から企画・編集された叢書に参加させていただけたことが嬉しいです。
とくにこの巻は、ヒミコ言説や中国中世の道教と女性など、「近在以前の性体制への考察が多く含まれて」いて、非常に興味深いので、しっかり勉強したいと思います。

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山藍紫姫子さん著『ネメシス』に英語協力をしました [yaoi]

英語協力といっても、ほんとに一文だけなのですが、あとがきに謝辞をいただいております。

ネメシス (ダリア文庫)

ネメシス (ダリア文庫)

  • 作者: 山藍 紫姫子
  • 出版社/メーカー: フロンティアワークス
  • 発売日: 2010/03
  • メディア: 文庫



>死刑制度が廃止された近未来の日本という設定で書いている『背徳の聖者たち』(あとがきより)
シリーズの5冊目です。
>犯罪被害者及び、被害者遺族の心のケアとして、密かに施行されるタリオの法。……加害者を、被害者が受けたと同じ方法で処刑するというもの……(あとがきより)

事件や謎解きのスケールの大きさ、「受」キャラクターが絶世の美女以上に肌のきめが細かく美しい、という徹底して中性的な美貌であること、堂々たる官能小説と呼ばせていただきたい濃厚な、しかし「現実」的というよりファンタジックな印象を抱かせられる性描写など、山藍先生節は健在! 「うっとり」させてくださる作風だなあ、と改めて思いました。それに加えて、本作は、脇役の人たちがそれぞれ語り口に個性があって、いわゆる「キャラがたって」いるのも楽しいです。

(ちなみに、セックスシーンについては、以前よりも語彙としては直接的な部位を指す言葉などが多用されているのですが、それでもファンタジックな印象です。なぜだろう…? おいおい分析的に考えてみたいと思います)


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"Crossroads@香港"学会に参加します。 [yaoi]

ACS(Association for Cultural Studies)という国際的なカルチュラル・スタディーズの学会の"Crossroads"という大会が今週、6/17から21にかけて香港で開催されます。
私はこの学会には初参加です。1日目の午後4時半からのパネルセッションでクィアな空間としてのヤオイ、というような切り口で発表します。

http://www.crossroads2010.org/

パネルのオーガナイザーはWei-cheng さんと、そのもと指導学生で現在はたしかDukeの大学院生のRaeちゃん。コ・パネリストがAmie Parryさん。パネルのタイトルは"The Fantasmatic Facilitations of Popular Culture: Queer Affects, Queer Female Space, and Queer Nationalism"です。
昨年8月の台北でのマンガ業界調査出張の時に、筑波大学の吉原ゆかりさんからRaeちゃんをご紹介いただいていたご縁で今回、ご一緒することになりました。
ACSには私は初めての参加ですが、いわゆる欧米圏ではない世界中のカルチュラル・スタディーズの研究者が集う場として世界各地で隔年で大会が開催されているそうで、アジアでは今回が初めてだそうです。いろいろ楽しみです。


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SCMSでパネルに出ます [yaoi]

来る3月17日(水)、12:00正午からSCMS(Society for Cinema and Media Studies)のセッションCのパネルで発表します。会場はロサンゼルスのWestin Bonaventure ホテル。パネルのオーガナイザーはパトリシア・ホワイトさんです。
パネルとしてのテーマはアジアのクィア空間を検証する、というようなことで、私はヤオイの言説空間について話す予定です。
47-3_cover.jpg
実は今年のSCMS大会は、昨年度、東京開催予定だった大会が新型インフルエンザで中止になったため、2大会分の合体版で、水曜から日曜までの5日間と、非常に規模の大きい大会です。参加登録済みの人が1,500人だそうです。SCMSの会員になり、大会参加登録をして参加費を払った人は誰でも参加できます。プログラムも膨大なのですが、ざっと見たところ、ロチェスター大学大学院時代のクラスメイトも参加するようなので、再会が楽しみ。パティさんとも、お会いするのは数年ぶりです。
公式サイトはこちら↓
http://www.cmstudies.org/
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「このBLがやばい!2010年腐女子版」 [yaoi]


このBLがやばい!2010年腐女子版 (Next BOOKS)

このBLがやばい!2010年腐女子版 (Next BOOKS)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 宙出版
  • 発売日: 2009/12/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


そろそろ発売のこのランキング本、過去2年に引き続き、アンケートに回答した他、今年は座談会にも参加させていただきました。
「座談会」とはいっても実際にお会いしたわけではなく、メッセンジャーを使ってのチャットでしたが、楽しかったです。いわゆる「対談」や「座談会」は、リアルに対面してこそ生まれる会話も重要なはずですが、ことボーイズラブ作品の感想の交換(&交歓)ということでいうと、コミケなどのイベントや飲み会で会う時にしゃべるよりも、日常的に掲示板やメールでコミュニケーションをとっていることのほうが多いので、このテーマでは違和感はなかったです。面識のない方が相手であっても、「愛好家同士」という安心感もベースにありますしね(そしてもちろん、文字で残るので編集さんに優しいやり方ですよね)。

そんなこんなの楽しい2時間あまりでした。誌面では大幅にカットされることは承知の上で、ノリでたくさん「しゃべった」のですが、その結果、多少なりとも批評的な発言はほとんどすべてカットされまして、ミーハーな発言は、思いがけないものまで採用となっています。
なるほどぉ。

……まあ、これも自分なので、原稿チェックはさせていただいたのですが、その点に関する訂正はしませんでした。
普段の「ヤオイ愛好家/研究者」としての私の自己プレゼン像よりも、ミーハー度数割アップの溝口をごらんください(笑)。

それにしても、例年、かなり読んでいるつもりでもランキング上位に未読作品がごろごろあって、あわてて買いに走るのもこの時期です。

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コミックス研究国際シンポに出ます [yaoi]

来たる2009年12/18(金)〜20(日)、京都国際マンガミュージアムで開催される国際学術会議「世界のコミックスとコミックスの世界:グローバルなマンガ研究の可能性を開くために」に参加します。
私が登壇するのは12/19(土)10:15-12:30の
セッション1:少女マンガ、女性コミックス〜ジェンダーとジャンルについて
で、私の発表タイトルは以下の予定です。
「反映/投影論から生産的フォーラムとしてのジャンルへ:ヤオイ考察からの提言」
"Theorizing Comics/Manga Genre as a Productive Forum: Yaoi and Beyond"

会議全体を通して、日本語と英語を併用したバイリンガル発表となります。
「学術会議」ですが特定の学会の会員である必要はなく、どなたでも参加できます。
ただし事前申し込みをしたほうがお得だったりするようですので、全体のプログラムやスピーカー情報などとともに、詳細は以下でどうぞ。
(なお、カテゴリーをyaoiにしていますが、私以外の方でヤオイ関係の発表をする方がいらっしゃるかどうかはわかりません)

http://www.kyotomm.jp/event/study/isc01.php

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