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美輪明宏さんのドキュメンタリー映画にコメント出演しています(再追記ありAug.2013) [映画]

美輪明宏さんについて、ご本人のインタビューや出演作、記録映像などを中心に、ご一緒に仕事をしたことのあるクリエイターや俳優などの方々のコメントで構成されたドキュメンタリー映画にコメント出演をしました。
近々、パルコ出版からDVDが発売されるそうです。詳細がわかり次第、ここでもお知らせしますが、おそらく、4月の舞台『黒蜥蜴』のタイミングかと。ちなみに、私も出ている方の長い版だそうです
この作品、全国で劇場公開もされるそうです。2013年8月31日から。私も出ている長い版だという確認がとれました。公式HPの監督コメントに自分のフルネームが出ていてビックリ。フランス向け版ではカットしました、という話での言及ですが(汗)。http://www.uplink.co.jp/miwa/introduction/

パスカル=アレックス・ヴァンサン監督 (dir. Pascal-Alex Vincent) 2011年 英語タイトル:Miwa, A Japanese Icon
日本タイトル『美輪明宏ドキュメンタリー〜黒蜥蜴を探して〜』

パスカルさんは、日本映画の配給の仕事もやっていたことのあるフランス人若手映像作家で、美輪さん主演作『黒蜥蜴』に遭遇したときに、なんだこれは?この人は、ナニモノ?と思ったところからこのドキュメンタリーのプロジェクトがスタートしたそうです。

そしてこの映画は、フランスの公共放送かどこかでオンエアされたバージョンと、世界各地の映画祭などで上映されてきている少し長いバージョンの2種類が存在し、私がコメント出演しているのは、長いほうのみです。
パスカルさんの強い意向で、どうしても、「同性愛活動家としての美輪さん、という側面も盛り込んだバージョンを作りたい」ということで、そのために、「日本におけるセクシュアリティのありかたについて、理論的な面と、近年の動向とをコメントできる人を探している」と、フランスに留学したことのある友人からの紹介で、急遽、わたしがコメント出演することになったのでした。

なぜ「急遽」と書いたかというと、本当に「急遽」でして、最初にメールで連絡が来て数日後にはコメント撮影、しかもその日のその時間しかクルーがあいていない…!というような状況だったので。美輪さんをはじめとする大物の方達の撮影でスケジュールが二転三転し、非常にタイトななか、どうしてもアクティヴィスト的側面を、今日の日本に暮らす一般人レズビアンやゲイ、で、研究者でもある、という人にコメントしてほしいという、パスカルさんの情熱に動かされ、なんとか都合をつけて、もちろんボランティアで出演させていただきました。(もちろん、もっと制作サイドの余裕があれば、わたしよりもふさわしい研究者はいらっしゃるはずなのですが、こういう「ギリギリの状況で悲鳴のようなメールが来て、それにすぐ対応できる人、が、いなければ、泣く泣くコメントなし!」というような極限状態というのは、実際の作品づくりの現場ではよくあることですよね)

日本でも、フランス映画祭かなにかで何度か上映はされているようなのですが、一般的にはこのドキュメンタリー映画の存在はあまり知られていないかもしれません。

この映画のなかで、美輪さんは、「ヨイトマケの歌」で有名になった当時、週刊誌かなにかで「好きな女性のタイプは?」みたいな質問をされて、「女性はお友達としてはいいけれど、恋人は男性のみ。それもおおぜい」という意味のことを答えたら、記者の人が「そんなことを芸能界で言わないほうがいい」と忠告してくれた。けれど、自分は同性愛者としてプライドを持っていたし、有名になったら絶対に公言するんだと決めていた。その背景には、ゲイ(という言葉を使っておられたか、男性同性愛という言葉だったか、記憶があいまいですが)の友人が、それを気に病んで首をつって自殺をしたところにかけつけたことがあって、こんなことがあってはならない、「盗んだわけでもない、殺したわけでもない」人が人を愛することは、それが同性同士だろうが何だろうが、美しいことなんだ、ということを訴えなければならない、と強く感じたからなのだ……ということを、非常に力強く語っておられます。

ここ最近の美輪さんのマスメディアでのお姿を見ると、「ゲイ」とか「男性同性愛者」というよりも、性別を超越した存在のようにも見えますし、ご自身もそのような発言もされてもいるようですが、同時に、この映画でのコメントのように、明確に「ゲイ男性」として発言をされることもあるのだ、というのは私にとっても新鮮でした。(そしてもちろん、複数のアイデンティティを持ち、複数の異なる発言をされること自体、なんら問題ないと思います)

http://queerlisboa.pt/en/film/miwa-japanese-icon

このリンク先にのっているのが、わたしも登場するアクティヴィスト面アリ、のバージョンだと思われます(65分)。
昨年、サンフランシスコのLGBT映画祭でたまたま見た友人から、「出てたねー!」とメールが来ました(笑)。

http://www.imdb.com/title/tt1707244/

IMDBにのっているのは「60分」となっていて、タイトルもフランス語で Miwa, à la recherche du lézard noir (美輪:黒蜥蜴を探して)なので、テレビオンエア版(わたくしナシ)かもしれません。

2011年のリリース作品なのに、こちらでのお知らせがこんなに遅れてしまったのは、自分自身、チェック用のDVDしか見ていないのでいまひとつ実感がわいていなかったのと、自分の写りが悪い…というか、多分、実物通りに写っているんですが、それが自分で見ていて辛かったので(中年期の危機ですね:笑)、ちょびっと脇に置いていたのでした。
今、書く気になったのは、紅白歌合戦に美輪さんが「白組」に初出演ということがいろいろ話題になっているので、ごく近年、美輪さんが「ゲイ男性」として公的にドキュメンタリー映画のなかで発言されている、ということはお知らせする価値があるだろうと思い立ったからです。
先ほど、パスカル監督の熱意にほだされてボランティア出演した、と書きましたが、もうひとつの動機としては、わたし自身が十代から二十代始めにかけて、「同性愛者かもしれない自分」と向き合うにあたって、ずいぶんと美輪さんに助けられたという事実もあります。
中学、高校時代に『紫の履歴書』をはじめ、著書を熱心に読み、「マイノリティであってもいいんだ」という確信のようなものを得るきっかけのひとつになりましたし、大学時代は銀巴里に通った時期もありました。

その時期というのは、ブル(ボンヌ)さんたちが始めたパソコン通信UC-GALOPよりももっと前ですし、レズビアンとバイセクシャル女性のためのミニコミLABRYSよりも前。ナマミの日本人で、顔を出して、「同性愛者だ」と公言している人は、(少なくとも私が情報を得ることができる範囲では、)美輪さんしかいなかったのでした。
…と、またしても昔語りをしてしまいましたね。たまには、ってことで。
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